結局どっちが得なのか?持ち家派と賃貸派

結局どっちが得なのか?持ち家派と賃貸派

マイホームを買ったほうがいいのか、それともずっと賃貸住宅に住み続けたほうが得なのか。長期間にわたり議論されているテーマである。イケてる仕事人を目指す人間はどちらを選ぶべきか、考えてみたい。

まずはこの議論の際に挙げられることが多い持ち家派と賃貸派それぞれのメリットとデメリットをまとめてみよう。

持ち家派と賃貸派のメリット・デメリット

持ち家派

メリット
・家賃を払わずに済む
・持ち家は資産になる(この意見には異論がある。詳細は後述)
・賃貸住宅はシニアになると契約しにくくなるという説があるが持ち家はずっと住み続けることができる。

デメリット
・居住地を容易に変えられなくなる
・維持費(リフォーム費や固定資産税・都市計画税)が必要
・住宅ローンで購入すると銀行に利子を支払わなければならない

賃貸派

メリット
・居住地を比較的容易に変えられる
・経済状況に応じて住まいに掛ける費用を変えられる(例えば年収が下がったら家賃の安いところに引っ越しをして費用を減らせる)
・住宅ローンを組む必要がないので銀行への利子の支払いが不要

デメリット
・家賃を払う必要がある
・維持費(管理費と修繕積立金)が必要
・賃貸住宅はシニアになると契約しにくくなるという説がある

このように様々な要素がある。今回は「住宅ローンを組んで購入したマイホームの資産的価値」という点にフォーカスを当てたい。

現在の住宅ローンの金利は低水準にあると言われている。銀行によって違いはあるが、2018年4月時点で調べたところ、平均的な金利は0.6%前後のようだ。3000万円のマンションを購入するため、金利0.6%の条件で35年ローン(元利均等返済)を組むと、支払い総額はいくらになるのか。

計算してみたところ、3326万7429円という結果が出た。元本返済分は3000万円なので、銀行に支払う利子の金額は326万7429円となる。1年当たりに換算すると9万3355円だ。

この結果を見ると、「1年に(元金返済分に加えて)9万円ちょっとの利子を支払えば、35年後には3000万円の不動産が自分のものになる」と思える。しかし本当にそうだろうか。

35年後の一戸建てとマンションの価値

一戸建てやマンションは建てられてから時間が経つごとに価値が低下する。

一戸建ての価値

不動産業界では一戸建て住宅の価値は20年でゼロになるとみなされる(恐ろしい話だ・・・)。

マンションの価値

マンションの場合はまだマシだが、それでも20年で価格は新築時の半額程度になり、その後はほぼ横ばいになるという。

不動産は「土地分」と「建物分」に分かれる。土地分は築年数の影響は受けないので、一定の価値を保つことができる。しかし、土地分が不動産全体のうち占める割合は2~3割程度にとどまることが少なくない。

こうした点を踏まえて、35年後に3000万円の物件(一戸建て)がどの程度の価値を保っているか、計算してみよう。
土地分は3割と仮定する。

(土地分の価格)+(建物分の価格)=(不動産全体の価格)

(土地分の価格)=3000万円×(1-0.7)=900万円
(建物分の価格)=ゼロ
(不動産全体の価格)=900万円

つまり利子込みで約3300万円を投じて、35年後に900万円の価値のある不動産を手に入れることになる。35年間の収支はマイナス2400万円だ。ただしこの期間、当然ながら持ち家に済んでいるので、家賃の支払いは発生していない。

一方、賃貸派はどうか。35年分の家賃などの総額が2400万円未満になれば、こちらのほうがお得ということになる。計算すると年間支出を68万5000円程度に収めることができれば、賃貸のほうが負担額が小さくなるという結果が出た。一カ月に換算すると約5万7000円である。

賃貸派の視点で考えると、家賃がリーゾナブルな物件を見つけることができるかがポイントになる。今後、良質な物件の需給を見定めるうえで念頭に置いておきたいのが2022年問題だ。

2022年問題で賃貸住宅の家賃が値崩れする可能性も

2022年問題とは、これまで税制上の恩恵を受けていた「生産緑地」(住宅地にありながら農地として扱われている土地)の多くが宅地に転用され、賃貸住宅が供給過剰になることで価格の暴落が見込まれるという問題である。多くの生産緑地が2022年に緑地指定の期限を迎えて、所有者の農地としての管理義務が解除されるため、地主がより利益が見込める宅地としての活用し始めるのではないかという見通しが背景にある。

一般に商品の供給が過剰になれば、需給バランスが崩れ、その価格は下がる。賃貸派にとっては、2022年問題はより安価な賃貸住宅を探しやすくなる契機になるかもしれない。

最終的には自分のライフスタイルで判断を

上記のような金勘定に加えて、持ち家派と賃貸派のどちらを選ぶか考えるうえで重要な要素がある。それは自分の人生設計だ。自分と家族にとって住みやすい環境が見つかったのであれば、そこで持ち家を買って安住の地にすればいい。一方、ライフスタイルの変化に合わせて住環境を変えたいのであれば、賃貸派を選ぶのが望ましい。

イケてる仕事人を目指す身としては、持ち家派であれ賃貸派であれ、仕事や日常生活を充実させることができる住環境を整備したいものである。

 

 

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